令和六年十一月の稽古

無事に開炉を済ませ、炉のお稽古に入った我が家でございます

6ヶ月ごとに風炉と炉が入れ替わる茶室ですが、その半年の間に目の前のことに真摯に取り組むからだと信じておりますが、炉風炉が入れ替わると途端に記憶がリセットされてしまって、お点前に戸惑うと吐露される方の多いこと

漫然と進むのではなく、切り替えがあることでいつも新鮮に、そして、ハッとする気づきを得られることが、茶道の素敵なところだと捉えています

11月は、小棚の稽古といたします

前半は利休好みの山里棚、後半は玄々斎好みの更好棚を使い、棚ごとの約束事を確認しながら炉の点前をいたします

令和六年十月の稽古

10月は風炉の名残と呼ばれるひと月となります

現代では、年中鮮度のいい青々としたお抹茶をいただけますが、昔はそうではなく、一年前に満杯だった茶壺のお茶は、もう10月には底が見えるほどに減っているはずです それが「名残」と呼ばれる所以です

名残の時期は、茶花は残花や実ものをいれたり、民芸臭のあるもの、外国土産の面白いものなどで道具組をし遊び心ふんだんにお茶を楽しみます

お点前は、風炉を少しお客の方に寄せて畳の真ん中に置き、中置きをいたします

いつものお点前なのに、場所が少し変わるだけで新鮮な気持ちになりますよ

令和六年九月の稽古

夕方になりますと庭から一斉にコオロギの音が響き渡るこの頃です

しかしながら、気温はまだ高いので、9月の半ばまでは、まだ絽の着物でいようと思っております

9月は、重陽の節句、お月見、お彼岸と暦を刻んでいくこととなり、週ごとに楽しみが変わっていくのが嬉しいですね

お稽古は、風炉釜を常据えに置く最後の月ですから、小棚、運びともに大いに覚えていただけたらと思います 四ヶ伝以上の方は茶通箱、和巾など

令和六年八月の稽古

激しい気温が続きますが、立秋を迎え空を見上げますと、陽の傾きが変わってきたことを感じます

しかしながら、暑いことには変わりませんね

8月は、風炉ではなく瓶掛けを出しまして、茶箱の稽古をいたします

裏千家には11代玄々斎が考案されました雪月花の点前をはじめ、いくつもの茶箱・茶籠の点前がございます

普段の柄杓で釜からお湯を汲むお点前とは違う、茶箱ならではの法則があり、初めての方は新しいことを学ぶ気持ちになるかと思われます

とは言いましても、箱の中から小さな茶道具を取り出してお茶を点てるのは、単純に楽しいものです

自分のマイ茶箱が欲しくなること請け合いです

令和六年七月の稽古

夏越の大祓を終え、一年の後半に突入いたしました

日頃より、「暦を刻んで季節を感じる、そんな茶道の世界に身を置くと、人生があっという間に過ぎてしまわないですよ」と申しております私ですが、やはり、今年もあと半分と思うと、少し焦りを感じてしまうのが正直なところでしょうか

7月のお稽古は、一週目だけは、七夕の節句で葉蓋を楽しみ、その後は台子を中心にいたします

お台子の前に座りますと、緊張感がございますから、心頭滅却すれば火もまた涼し、と精神を研ぎ澄ませるひと月としたいですね

令和六年六月の稽古

当教室を主催しております会田宗敦、この度坐忘斎お家元様より、教授のお許しを頂きました

今後益々精進しますとともに、日本の四季を楽しむ心、お茶のある暮らしの豊かさを、これまで以上にお伝えしていきたいと思います どうぞ宜しくお願い申し上げます

さて、6月の稽古は、運びの点前をいたします

正しい位置に水指を運んで、お茶碗お棗などお道具を運ぶ姿にも、改めて心をめぐらせてお点前をいたします

四ヶ伝の方々は、道具の扱いに更に気をつけて、所作を確認していただきたいと思います

心地よい緊張と、静けさの中のリラックス、頭の中をシンプルに……

令和六年五月の稽古

5月は茶室に風炉が出まして、爽やかな夏の風情となります

青葉の間を吹き抜けてくる風は、南からの薫風

我が家の門からのアプローチに植えられた植物もぐんぐんと葉を伸ばし、通りづらいほどに茂っております

5月の稽古は、まずは端午の節句を楽しみ、そして凛とした亭主の横顔、真・行・草の柄杓の扱いを再確認しながら、風炉のお茶を稽古してまいりましょう

令和六年四月の稽古

ゆっくりと咲いてくれた桜は、開花とたんに一気に満開になった気がいたしますね

汗ばむ陽気の日もありますが、肌寒い日もまだ多く、春物の薄い上着の出番が嬉しいこの頃です

茶室は、炉が透木釜(すきぎがま)となっています

釜の羽根が炉壇にのりますが、直接のせるのではなく、透木という小さな板を挟んで置きます

釜によってほとんど火は覆われて見えなくなり、暖房を兼ねる炉の炭火の威力は、少し抑えられているように感じます

4月は炉の最後の月ですので、名残り惜しみながら週替わりで、点前を変えて稽古してまいりたいと思います

令和六年三月の稽古

冷たい風が吹いて、少し期待外れの寒さの3月です

茶室では火鉢も仕舞って釣り釜を吊るし、春の装いになっております

裏千家の3月は釣り釜

お湯を汲むたびに釜は揺れ、まるで春風を呼び込んだような気持ちになりますね

今月は週替わりで棚を変えますので、それぞれ違った扱いを稽古してまいります

貴人清次、茶通箱などの複雑なお点前にも頑張って挑戦していただけたらと思います

令和六年二月の稽古

この冬は比較的暖かく、氷が張る日もほとんどありません

それでも、一日だけ雪が降りまして冬らしさを感じたところです

2月の稽古は、大炉

11代玄々斎が、囲炉裏から草案を得て作られた大きな炉です

逆勝手が約束で、出入りする足も、つける帛紗の位置も逆となり、混乱しながらも楽しいお点前です

赤々と燃え光る炭の美しさ、広口の釜から湧き上がるたっぷりの湯気を楽しみながら、一年で1番寒い時期を「冬はいかにも温かであるように」を満喫してみたいと思います