令和六年七月の稽古

夏越の大祓を終え、一年の後半に突入いたしました

日頃より、「暦を刻んで季節を感じる、そんな茶道の世界に身を置くと、人生があっという間に過ぎてしまわないですよ」と申しております私ですが、やはり、今年もあと半分と思うと、少し焦りを感じてしまうのが正直なところでしょうか

7月のお稽古は、一週目だけは、七夕の節句で葉蓋を楽しみ、その後は台子を中心にいたします

お台子の前に座りますと、緊張感がございますから、心頭滅却すれば火もまた涼し、と精神を研ぎ澄ませるひと月としたいですね

令和六年六月の稽古

当教室を主催しております会田宗敦、この度坐忘斎お家元様より、教授のお許しを頂きました

今後益々精進しますとともに、日本の四季を楽しむ心、お茶のある暮らしの豊かさを、これまで以上にお伝えしていきたいと思います どうぞ宜しくお願い申し上げます

さて、6月の稽古は、運びの点前をいたします

正しい位置に水指を運んで、お茶碗お棗などお道具を運ぶ姿にも、改めて心をめぐらせてお点前をいたします

四ヶ伝の方々は、道具の扱いに更に気をつけて、所作を確認していただきたいと思います

心地よい緊張と、静けさの中のリラックス、頭の中をシンプルに……

令和六年五月の稽古

5月は茶室に風炉が出まして、爽やかな夏の風情となります

青葉の間を吹き抜けてくる風は、南からの薫風

我が家の門からのアプローチに植えられた植物もぐんぐんと葉を伸ばし、通りづらいほどに茂っております

5月の稽古は、まずは端午の節句を楽しみ、そして凛とした亭主の横顔、真・行・草の柄杓の扱いを再確認しながら、風炉のお茶を稽古してまいりましょう

令和六年四月の稽古

ゆっくりと咲いてくれた桜は、開花とたんに一気に満開になった気がいたしますね

汗ばむ陽気の日もありますが、肌寒い日もまだ多く、春物の薄い上着の出番が嬉しいこの頃です

茶室は、炉が透木釜(すきぎがま)となっています

釜の羽根が炉壇にのりますが、直接のせるのではなく、透木という小さな板を挟んで置きます

釜によってほとんど火は覆われて見えなくなり、暖房を兼ねる炉の炭火の威力は、少し抑えられているように感じます

4月は炉の最後の月ですので、名残り惜しみながら週替わりで、点前を変えて稽古してまいりたいと思います

令和六年三月の稽古

冷たい風が吹いて、少し期待外れの寒さの3月です

茶室では火鉢も仕舞って釣り釜を吊るし、春の装いになっております

裏千家の3月は釣り釜

お湯を汲むたびに釜は揺れ、まるで春風を呼び込んだような気持ちになりますね

今月は週替わりで棚を変えますので、それぞれ違った扱いを稽古してまいります

貴人清次、茶通箱などの複雑なお点前にも頑張って挑戦していただけたらと思います

令和六年二月の稽古

この冬は比較的暖かく、氷が張る日もほとんどありません

それでも、一日だけ雪が降りまして冬らしさを感じたところです

2月の稽古は、大炉

11代玄々斎が、囲炉裏から草案を得て作られた大きな炉です

逆勝手が約束で、出入りする足も、つける帛紗の位置も逆となり、混乱しながらも楽しいお点前です

赤々と燃え光る炭の美しさ、広口の釜から湧き上がるたっぷりの湯気を楽しみながら、一年で1番寒い時期を「冬はいかにも温かであるように」を満喫してみたいと思います

令和六年一月の稽古

新しい年がまた始まりました

我が家の初釜も無事に開催できました

今回は外のお茶室をお借りしての初釜でしたが、楽しく賑やかに会は進んでいき、水屋方の働きの良さに終始助けられたこともあり、準備からお片付けまで万事つつがなく終わることができました

1月の稽古は、運びのお点前を中心にいたします

許状お持ちの方は四ヶ伝をいたします

2・3・4月の予定を前倒して考えますと、稽古していない点前をこの月にしておかないと…、と最後の週に長板総荘をとも思っています

令和五年十二月の稽古

看よ看よ臘月尽く

12月の別名「臘月」

今年の冬は暖かだということで、あまり慌ただしさを感じない気がするのは、のんびり屋の私だけでしょうか

看よ看よ、というのはじっくりと一日一日を過ごして、此の年が暮れていくさまを見なさい、ということです

さて、12月の稽古は、冬らしい「浦千鳥水指」のお点前から

今年を締めくくる、満足のいくお点前を目指して、稽古してまいりましょう

令和五年十一月の稽古

開炉おめでとうございます

11月になり、我が家も炉を開けました

今年の新茶が詰まった茶壺が、11月になってやっと口が切られ、新しいお茶をいただく喜びと、客と亭主が釜越しに茶を楽しむ炉の季節がはじまります

まさにお目出度いお茶の正月

大陸からやってきたぶんぶく茶釜の風炉とは違い、炉はメイドインジャパンのものです

都会にいながらにして、山里の風情を楽しむという、なんとも粋な趣向は、日本人ならではの感性が光る文化でしょう

心も体も温まる炉のお茶

湯気越しの和やかなおしゃべりと共に、炉のお稽古を進めてまいりたいと存じます

令和五年十月の稽古

ようやく涼しさがやってきてくれました

庭で育てている花々も、今年の夏は咲いてくれない種類がいくつもあり、茶花探しには苦心しました

そんな草花を生ける風炉の時期も、残すはあとひと月、いよいよお茶の名残の季節となりました

10月は、風炉釜をお客の方へ少しだけ近づけて、畳の中央に据える「中置き」というお点前になります

名残の時期は、遊び心満載で民芸の物や外国の物などを積極的に使うのも面白いとされています

秋から冬へ向かう季節の移り変わりに、侘び寂びを感じながら、秋の味覚はふんだんに…

欲張りな10月を大いに楽しみたいところです