令和二年十一月の稽古

気がつけば朝の空気の冷たさに驚かされますね

柚子の色づく頃、茶席は風炉から炉へと様変わりいたします

11月はお茶のお正月といわれ、新茶の詰まった茶壷の口を切り、おぜんざいを炊いてお祝いいたします

火の位置がお客様の近くになり、亭主も親しげに体の向きを寄せ、大きな釜から上がる湯気を挟んで、温かく和やかな時間がそこにはあります

なにかと心ざわつく昨今ですが、ひとまず茶室では、それを忘れて一服いたしましょう

 

令和二年十月の稽古

朝晩の涼しさ、夜明け前の雨に一歩一歩秋が進んでいくのを感じます

さて、10月は風炉の最後の月となります

「風炉の名残り」と申しまして、より一層「侘び」がご馳走となってまいります

秋が深まる裏寂しさに、火の暖かさも恋しくなるということで、風炉もお客様に少し近づけて、「中置き」という位置になります

しかし、秋の味覚を存分に楽しむ時期でもありますから、稽古のお菓子も一層楽しみになりますね

 

令和二年九月の稽古

9月になった途端に、朝夕の気温が、少し過ごしやすくなった気がいたします

秋の虫たちが盛んに鳴き、声が様々に重なり合って、より涼しさを感じさせてくれるようです

9月は一番大きな陽の数「九」が重なる、「重陽の節句」がございます

あまりメジャーではないのですが、菊の節句です

稽古では、菊にまつわるお節句のお話をいたしますね

お点前は長板です 月の前半は長板二つ置き、後半は総かざりの予定です

令和二年八月の稽古

長い梅雨がようやく終わり、8月と共に暑い夏がやってまいりました

暑さには弱いのですが、久々に照りつけるお天道様に、ありがたさを感じるこの頃です

さて、8月はお茶箱のお稽古をいたします

箱に詰められた小ぶりのお道具はどれも可愛らしく、いつまでも弄んでいたい気持ちになりますよ

令和二年七月の稽古

6月より、我が家の稽古は月曜日と水曜日を毎週開けることにいたしました

7月も引き続き、そのようにいたします

お一人が月3回のお稽古にいらっしゃるというのは変わりませんが、すべての週を開けることで、いらっしゃる方々が自然とばらけることができております

7月は、みずみずしい葉蓋、冷たいお菓子、爽やかな平茶碗で、「夏涼しく」まいりたいと存じます

令和二年六月の稽古

気がつけば6月、青葉が茂り、木陰が涼しく感じられるようになりました

蒸し暑さに、夏の本番をすぐ背後に感じるこの頃です

我が家のお稽古も、そろりそろり始まっております

3密と除菌とマスクに気をつけて、少人数予約制にいたしました

2ヶ月ぶりのお稽古に、7ヶ月ぶりの風炉

戸惑いはあっても、一碗のお抹茶をいただくことで、何かがほぐれてゆくのを感じていただけるのではないかと思っています

令和二年五月

自粛生活もひと月になりますが、医療従事者や運送関連の方々への感謝は募るばかりでございますね

外出が制限されておりますが、季節は容赦無く移り変わり、犬の散歩に出ますと賑やかに草花が花を咲かせています

5月となれば、お茶の世界では夏でございます

茶室では炉は塞がれ、風炉がお目見えしました

初風炉の清々しさを、いくらか感じていただけたらと、そしてお稽古にいらしているような気持ちになっていただけたらと、動画を撮ってみました

お社中の方々には、本編2本「季節のお話し」「点前解説」をご覧いただけます

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令和二年四月

  1. 桜が早々と咲き始めましたので、4月まで咲いていてくれるか心配でしたが、寒くなったり暖かくなったり、雪まで降ったりと乱高下する気温に、桜もびっくりしたのか、まだ散りきっていません

紀貫之の

桜散る木の下風はさむからで 空に知られぬ雪ぞふりける

のように、お空は降らせた覚えのない雪が、いえ桜の花びらが雪のように、散って降っていることだな、と

まさに今、そんな景色になっています

今月はお稽古をお休みにいたしました

でも、季節を楽しむ心はしまい込まずに、お家でもお茶を点てて楽しんでいただきたいと思っております

我が家も茶室は出来るだけ室礼を整えて、平常心を心がけたい所存です

令和二年三月のお稽古

風の冷たさはありますが、もう春の香りが漂うこの頃です

3月のお稽古は、雛祭りの趣向からスタート

雛祭りは上巳の節句といい、元は冬の間の穢れを祓い清める行事でしたが、今では女の子の幸せを願い、可愛らしい飾り付けがされています

我が家でも、お道具の準備はとても楽しく、いつにも増して心躍ります

そして、3月は天井から鎖で釜をぶら下げる、釣釜となります

東から吹く春風にゆらりと揺れる釜の楽しさを感じながら、お稽古をいたしましょう

令和二年二月の稽古

2月は1年で1番寒い時期とされています

この厳寒の時期には、裏千家では、大炉といって、いつもよりも大きい囲炉裏のような炉を切りましてお茶をいたします

炉が大きいと、横から炭が赤々と燃えるのを眺めることができますし、広口の釜を使えば、たっぷり湯気が上がりまして、寒いこの時期のご馳走となるのです

ただ、逆勝手といいまして、いつもと左右反対のお稽古になり、混乱しつつも、頭の体操になります

親しみやすさと、難解さ、両方併せ持つ大炉のお稽古、なかなか楽しいものです